のどの痛みなどに効く、第一三共ヘルスケアの「ぺラックt錠」。
風邪の季節になると、家の薬箱には常備してある、というご家庭も多いかもしれません。
「ぺラックt錠」の効果効能は、「のどのはれ、痛み、口内炎」。
添付文書にはこれだけしか書かれていないんですが・・・
「ぺラックt錠には美白効果がある!」という噂があるようです。
はたしてこの噂は、本当なのでしょうか。
ぺラックt錠の配合成分から、検証してみたいと思います。
ぺラックt錠に美白効果はあるのか?配合成分は?
ぺラックt錠の配合成分をチェックしてみましょう。
① トラネキサム酸 750mg
② カンゾウ乾燥エキス 198mg(原生薬として 990mg)、
③ ピリドキシン塩酸塩(ビタミン B6) 50mg、
④ リボフラビン(ビタミン B2) 12mg、
⑤L-アスコルビン酸ナトリウム(ビタミン C ナトリウム) 500mg
(※第一三共ヘルスケア公式HPより)
配合成分を見てみると、
ぺラックt錠の主成分は、①「トラネキサム酸」であることがわかります。
トラネキサム酸(トランサミン)は、主に「肝斑」の治療で皮膚科でも処方される成分ですね。
「プラスミン」という炎症反応にかかわる物質の働きを抑えます。
ぺラックt錠は、のどの炎症を抑える薬ではありますが、プラスミンは、「メラニン発生の要因=メラノサイト活性化因子」でもあります。
そのため、これをブロックすると、しみや肝斑の原因となるメラニンの発生を抑制することもできるんですね。
それから、⑤L-アスコルビン酸ナトリウム(ビタミン C ナトリウム)も、シミや肝斑、そばかすなどが気になる方は、積極的に摂っていきたい成分です。
ぺラックt錠には、一日量に、500mg配合されているので、そこそこ入っていると言えます。
シミや肝斑治療には、1000mg程度は摂りたいかな、という感じではありますが・・。
また、③ピリドキシン塩酸塩(ビタミン B6)や④リボフラビン(ビタミン B2)12mgは肌荒れを防いだり、皮膚の再生に欠かせない成分なので、美肌のためには必須のビタミンです。
配合成分を見てみると、確かにシミや肝斑治療薬に成分が良く似ていて、本来は「のどの痛み・腫れ」治療薬のぺラックt錠ですが、肝斑やシミ治療にも効果が期待できると言えます。
ただ、美白効果を求めるには、ある程度「飲み続ける」必要があります。
1日飲んだだけでは、シミ・肝斑には、目に見えた効果はありません。
「ぺラックt錠」は、長期的に飲み続けても良いものなんでしょうか?
ぺラックt錠を、美白目的で毎日のみ続けてもいいのか?
ぺラックt錠の配合成分をみてみると、トラネキサム酸やビタミンCなどを配合していて、「肝斑・シミ治療薬の配合成分に近い」ということが分かりました。
ただ、他のシミ肝斑治療薬には配合されておらず、ぺラックt錠には配合されている成分があります。
それは・・・
「カンゾウ乾燥エキス」
です。
カンゾウとは、マメ科の多年草で、主成分は「グリチルリチン」という成分です。
グリチルリチンには抗炎症、抗アレルギー、咳止めなどの効果があります。
漢方薬では、龍角散や葛根湯などにも配合されている成分ですね。
ただ、グリチルリチンを毎日、長期的に服用すると、高血圧を引き起こすことがあるんです。
グリチルリチンには、腎臓内のホルモン量の調節を妨げる作用がある成分です。
腎臓のホルモンは、体内の余分な塩分を取り除いたり必要に応じて再度吸収したりする働きがあるのですが、グリチルリチンがホルモン量の調節を妨げてしまうと、必要以上の塩分を腎臓で再吸収してしまい、高血圧を引き起こしてしまうんですね。
また、手足のしびれや、全身の倦怠感、むくみなどの副作用もある成分です。
ぺラックt錠や風邪薬には、「のどの痛みや風邪などの症状のあるときにだけ飲む」「長期的には服用しない」という前提で、カンゾウが配合されているのですが、これをシミや肝斑治療目的で、毎日、長期的に服用し続けると、副作用が心配です。
シミや肝斑の治療が目的で、それより重大な症状を引き起こしてしまっては、元も子もありませんよね。
シミや肝斑治療には、のどのための薬である「ぺラックt錠」ではなく、それ専用につくられた、「シミ肝斑治療薬」を飲むことをおすすめします。
シミ・肝斑治療には、専用の治療薬を。
シミや肝斑治療には、「それ専用の治療薬」を飲むのが副作用の心配もなく安心です。
通常のシミと肝斑では、効果的な成分がちがってきますので、それぞれどんなものがおすすめか、見ていきたいと思います。
「シミ」治療には、ビタミンC・Lシステイン配合の治療薬を。
ご自身のシミが、「肝斑」でなく、「シミ」である場合は、ぺラックt錠の主成分である「トラネキサム酸」はあまり効果がないと言われています。
積極的に摂りたいのは、ビタミンCやLシステイン。
市販薬では、ビタミンCとL-システインを最大量配合しているホワイピュアがおすすめです。
「ビタミンE」や「ビタミンB6」「ビタミンB2」も配合されているので、ニキビや肌荒れにも効果的です。
肝斑治療には、「トラネキサム酸」配合の治療薬を。
それに対して、自身のシミが「肝斑」の場合は、ぺラックt錠にも配合されていた「トラネキサム酸」が効果が高いので、しっかりトラネキサム酸が配合されている医薬品を選びましょう。
市販薬では、「トランシーノⅡ」がおすすめ。
トランシーノⅡは1日あたり750mgのトラネキサム酸が配合されています。
シミ治療は、継続が大切。
治療薬で必要な栄養素を補うとともに、紫外線対策も毎日怠らないことが、シミひとつない美肌の秘訣です。
さらに効率よくシミを消すには、内服薬と並行して、クリニックでレーザー治療を受けるのもおすすめ。
内服薬だけでは消すことができない頑固なシミも、レーザー治療では消すことが可能です。
「薬を飲み続けているけど、なかなかシミに効果がでない」という方は一度クリニックでカウンセリングを受けてみるのもいいかもしれませんね。
コメント